この記事では、ムササビとモモンガの違いについて徹底的にわかりやすく解説しています。
ムササビとモモンガはどちらもリスの仲間で手足の間に皮膜を持つことが特徴で、体を広げることで風に乗ることができるので、木々の間を飛び回ることができます。
そんな似たような生態のムササビとモモンガの違いと見分け方を知りたい方はぜひ最後まで読んでください。
ムササビとモモンガの見分け方を紹介
ムササビとモモンガの見分け方について4つのポイントを紹介します。
体の大きさが異なる
ムササビとモモンガは同じような姿をしていますが、体の大きさが異なります。ムササビは1000グラム程度の重さに比べ、モモンガは180グラム程度と手のひらに収まるサイズが一般的です。
全長でいうとムササビは約80センチメートル、モモンガは約30センチと2倍以上も長さが異なります。そのため、比喩的に彼らを表す言葉として、ムササビは空飛ぶ座布団、そしてモモンガは空飛ぶハンカチと呼ばれています。
顔が異なる
ムササビとモモンガの顔は異なります。ムササビは目の上から顔の輪郭に沿って白い帯状の模様があり、モモンガはムササビと比べると目が大きく、クリっとしている印象があります。
体を広げた時の形が異なる
風に乗り空を飛ぶときに、手足の間の皮膜を伸ばします。その時、ムササビは手足と尻尾を結ぶ五角形のかたちになりますが、モモンガは尻尾まで皮膜がついていないため四角形のようなかたちとなります。
また、尻尾に関しても、ムササビは丸型でモモンガは平べったい形と特徴があります。
ウンチの大きさと形が異なる
ムササビはモモンガと比べて、ウンチのサイズがひとまわり大きくなります。体のサイズが大きく違うのでこれはわかりますよね。
また、ウンチの形もムササビはまんまるですが、モモンガは俵形となっています。
ムササビとモモンガの特徴と生態
ムササビとモモンガそれぞれの特徴と生態についてご紹介します。
ムササビ
ムササビはリスの仲間でムササビ属の総称として「ムササビ」と呼ばれています。日本では、北海道を覗く全国各地で見られるほか、朝鮮半島や中国にも生息しています。
日本でいうムササビは「ホオジロムササビ」を指す場合が多く、多くは山の中に生息していますが、神社やお寺の林などの平地でも確認されています。夜行性なので、日中はほとんど見かけることがありません。ほとんど地面に降りてくることがなく、木の上で生活します。
前足と後ろ足、そして尻尾にかけて皮膜があり、体を広げることで風に乗り、木々の間を滑空することができます。通常は30メートルほどとなりますが、最大では120メートル程度滑空することが可能と言われています。
リスの仲間の中では最大の体のサイズを誇り、全長は70〜80センチメートル、体重は500〜1000グラムです。尻尾は胴と同じくらいの長さがありまんまるとしているのが特徴です。体のサイズがモモンガより大きいため、素早い動きは比較的遅くなります。
体の色は個体によって異なり、灰褐色や赤褐色、黒褐色など褐色系で、お腹は白く、目の上から顔の輪郭に沿って帯状の白い模様があります。
モモンガ
モモンガはリスの仲間で、小型種のモモンガ属の総称です。日本では2種類のモモンガが生息していますが、日本固有種のニホンモモンガを指す場合が多いです。世界で見るとユーラシア大陸の北部で多く生息しています。
ムササビは山以外にも平地で住むことで知られていますが、モモンガは標高約1000メートル以上の山地を好み生活します。また、ムササビと同じく夜行性で、木の上で生活する哺乳類です。
前足と後ろ足にのみ皮膜があり、体を広げ風を受けることで、木々の間を通常は10メートル、最大で40メートル程度飛ぶことができると言われています。
全長30センチメートル、体重150〜200グラムと小振りなので、モモンガと比べると素早く動くことができますし、空を飛ぶスピードも早いです。
尻尾はひらべったく、目はクリっと大きいのが特徴です。体の毛は、灰色もしくは褐色でお腹の色は白です。
ムササビとモモンガの分類学上の違い
リスの仲間は多種多様で、リス亜科のモモンガ族のムササビ属にムササビは分類され、モモンガ属にモモンガは分類されます。ただし、分類や系統は研究者の中でも意見が分かれます。
ムササビとモモンガは過去に、リス亜科とは異なる別の独立した亜科と見なされていたが、現在ではリス亜科の中に分類されています。
ムササビとモモンガは日本ではどこに住んでいる?
日本に生息するムササビは一種(ホオジロムササビ)で、北海道を除く本州以南に生息しています。モモンガは二種(エゾモモンガとニホンモモンガ)が生息しており、エゾモモンガは北海道のみで生息しており、ニホンモモンガは本州以南に生息しています。
ムササビ・モモンガと似ている(空を飛ぶ動物)
ムササビとモモンガ以外に体に皮膜を持ち、空を飛ぶことができる動物として、フクロモモンガ・ウロコオリス科・ヒヨケザル目などがあります。フクロモモンガは名前にモモンガがついていますが、カンガルーやコアラなどの有袋類の動物ですが、見た目もとても似ています。
ムササビとモモンガの名前の由来は?
ムササビ
ムササビの名前の由来は「目が細い」ことからと言われています。平安時代にはムササビとモモンガは混同していたため漢字では鼯鼠と書きますが、こちらの感じはモモンガと読むこともできます。
ムササビの名前は日本各地で呼び方が違い、バンドリ、ノブスマ、ヨブスマ、モマ、モモンガなどがあります。
モモンガ
モモンガの名前の由来は「モミ」が転じたと言われています。「鼯鼠」以外に「模模具和」と漢字が当てられていました。不気味な語感から、モモンガは化け物として恐れられる存在であり、昔は脅し言葉として使われることもありました。
地方によって呼び名が変わり、モミ、モモ、モマ、バンドリ、ムササビなどがあります。夜行性のモモンガは、夜に人が持っている灯りに飛んでくる習性があり、怖がられていました。
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